ボードゲームをジャケ買いするゲーム
先日、友人と「ボードゲームをジャケ買い」する遊びをしました。
ようするに"ボードゲームのパッケージの表面だけを見て「面白そう」なゲームを買って遊ぶ"遊びです。
ルールは、下記です。
- パッケージの表面だけで面白そうなものを選ぶこと
- お互いが知らないゲームであること
- 実際に遊べること
名前を聞いたことがあるぐらいはOKで、日本語訳があることや、プレイ人数・プレイ時間が行えるもの、拡張など単体でプレイできないものはNGとしました。
とりあえずはボードゲーム中古の豊富な駿河屋秋葉原店に集合場所。
極力、余計な情報を見ないように棚から取ってパッケージ表面を見ていきます。
「これ面白そう」と思ったものはキープします。ある程度候補が出揃った段階で、お互いに見せあってレギュレーションに合っているか確認します。
そこから感想を言い合いながら絞り混みます。
そして、気になったものを購入し遊んでみます。
まずは友人の買った『登れナイト』。
長方形の箱が目を引くパッケージでしたが、開けてみると幼児向けのメモリーゲームで、この予想外さが楽しいですね!
カードに描かれたものと同じ形の鍵のトークンを探す協力ゲームなんですが、流石に大人がやると簡単すぎた。(^_^;)
少しアレンジすれば、大人でも遊べそうな可能性を感じさせるので、まぁ良しだと思います!
次に私の選んだ『チックトックの森』。
色々とファンタジー系のパッケージを候補に選んだなかで、イラストのレガシーさに安心感を感じこいつを選びました。
遊んでみたら、隠匿情報のあるセットコレクションのカードゲーム。
今回は二人で遊んだのですが、今度は4人ぐらいで遊んでみたいと思えるほど面白かったです。
最後は1200円と激安の中華ゲーム
中華料理をテーマにした拡大再生産ゲーム。
全体的には良くできていそうなのに、ちょいちょいテンポが悪かったり、バランス悪く感じたりと惜しいゲームでした。(^_^;)
これも少しルールを変えれば楽しめそうな予感はします。
という事で手前味噌ですが、手堅く選んだ『チックトックの森』が個人的には一番面白かったです。
まとめ
参加メンバーのマニア度合いにもよりますが、マイナーな作品になりがちなので、外れ率が高いのはしょうがないかな…?!(^_^;)
なのでクソゲーを手にしても楽しめる広い心が必要かも。
それでも普段なら遊ばないゲームと出会える楽しさや、自分の好みを拡張できる可能性もあるので、たまにやるには良い遊びだと思いました。
老師敬服 感想(レビュー)
道場を運用する拡大再生産&ワーカープレイスメント。「敬服」という他プレイヤーのアクションをコピーする行動を活かせるかが特徴の国産ゲーム。
何年か前の同人版のゲムマ発売前体験会で遊んで以来2度目のプレイ。
トークン入れなどコンポーネントが豪華になりアートワークもより洗練された印象。
久々!と思いプレイするもボロ負け…。
ゲームのシステムはとても良く出来ている印象だったんですが、どうにもバランスに理不尽さを感じてしまった…。
敗北の原因を考えてみると、もちろん自分の戦略が最適でなかったのは前提としてあるが、プレイの順番とキャラクターの能力が組み合っていなかったと思われる。
自分のキャラクターは、初期リソースが多いものの生産力が弱かった。他のプレイヤーは「金2」「酒2」と初期から生産力が高いものがあれど、自分にはなく「敬服」が得られにくい。
しかも5人プレイで全5ラウンドのゲームで最後の手版だと、最初のラウンドが最後、最後のラウンドで最初手版と有利不利が著しく感じられた。
最初は皆出来ること少ないから手版の有利不利が弱いのに、最後のラウンドで手版が最初は「敬服」の旨味を活かせず本当に辛い!
これはあくまで5人プレイ時に発生する現象だけど、もう少しバランスとって欲しかったなぁ…。
まとめ
評価:B-
良くできたゲームですが、キャラクターごとに能力が違うなら、もう少しバランス調整して欲しかったと。(^_^;)
特に5ラウンドと短めで後からの調整も間に合わず不満ばかりが残ってしまった。
あとは2ラウンド以降に発生する武闘会が蛇足に感じられた。全般的に要素が多すぎて、そこまで手が回らなかった。
うーん、今回は本当に運が悪かったのもあるけど、もう少し納得したかったなぁ。
きっともっと面白いはずなので改めてプレイしたい。
ミープルサーカス 感想(レビュー)
バランスよくコンポーネントを積み上げるアクションゲームです。
ミープルに板、動物、円盤などのコンポーネントを選んで取ります。そして制限時間内にそれらのコンポーネントを組み立てて、お題の形を再現することで得点が得られます。
3ラウンド行って一番得点の高かったプレイヤーの勝利です。
まとめ
評価:B-
バランスアクションが好みじゃないので評価低めですが、一般的には個性的で良くできたパーティーゲームだと思います。
子供とか楽しく遊べるんじゃないかな。
また、どのコンポーネントを取って何点を狙いにいくのか、アクションだけじゃなく考える要素があるのは良いポイントですね。
ただ制限時間を知らせるためにアプリが必要なのが気になります。
ワイワイ遊ぶのが好きな人にはオススメです。
汽車は進むよ (Jedzie pociąg z daleka) 感想(レビュー)
タイルを配置して線路を伸ばし、汽車を進めて駅に到着させるパズルゲームです。
普段はあまり見ることの少ないポーランド発のゲームという事で珍しさもあり買ってみました。
プレイヤーはタイルを配置して汽車を進めるだけなので本当にシンプルです。
インストに5分、1プレイ30分位の軽いゲームでしたが、非常に楽しかったです。
パステル調のコンポーネントに可愛いアートワークは癖がなくて万人受けするのも、お手軽な感じにあっていて良いですね。
同じタイルを配置して道を繋げるゲームとして『カルバ』『カルバ カードゲーム』がありますが、同じぐらいの軽さなのに、より深いジレンマが楽しめます。
駅に早く到着させたら高得点のルールと、線路をより長くすすめるほど高得点のルール、の2種類のルールがあるのですが、最初から両方を合わせた上級ルールで遊ぶのがオススメです。上級ルールでも説明は簡単ですし、何より線路を長く伸ばすのか、早く駅に着くのを優先させるか、戦略性が広がって楽しさが増します!
まとめ
評価:A
個人的にタイル配置型パズルゲームが好みなのもありますが、遊んでいて楽しく、説明も簡単、シンプルなのに奥深く、アートワークも秀逸、お値段も高くなくそれ以上の価値を感じたので、A評価にしました。
ライトからヘビィな層まで幅広く楽しめる汎用性も高評価のポイントです。
またこのゲーム、線路がうまく繋がると想像していた以上に汽車が進むことがあって、それが凄い楽しいんです。勝つこと以上に楽しさがあるゲームは良いゲームだと思います。
気になる点は、他プレイヤーとの接点が少ないことですね。誰が駅に早く着いたかで得点が増減する以外は絡みが無いのでコミュニケーションがありません。個人的には自分の作業に集中できるので悪いとは思わないんですけどね。(^_^;)
ただ大手メーカーからの販売ではないので、気になる方は見かけるうちに押さえておいた方が良いと思います。
ボドゲショップ店員が初心者にオススメするゲームについて
旅行先でボードゲームショップに寄るのが好きなんです。
どこでもだいたい置いてあるものは一緒なんですが、中古に掘り出し物がないか結構ワクワクするんですよね!
とあるお店での出来事
日本でも有数の大きな街の大きなショッピングビル。その一画にあるプレイスペースも併設したボードゲームショップによりました。
オープンで明るい店内は、おしゃれなビルにぴったりでとてもよい雰囲気でした。
そこでベビーカーを押した若い夫婦が店員さんに「何か二人で遊べるゲームはありますか?」と聞いていました。
もれ聞こえてきた感じだと、夫婦はボードゲーム未経験者で『カタン』や『宝石の煌めき』というのが面白いと知って興味が湧いたようです。
店員さんも見ため若そうでしたが、清潔感があり良さそうな方でした。
そして事件が
店員さんが『カタン』の説明をしたあと、他にも聞かれたタイトルのゲームを紹介していたのですが、そのあとで『SCYTHE』を紹介し始めました。
『SCYTHE』と言えば1プレイ2時間はかかる経験者向けの重ゲーです。
「いやいやいや『SCYTHE』初心者向けじゃないだろう?」と思わず口から出そうでしたが、そこは営業妨害になると思いグッとこらえました。
確かにあのゲームはパッケージも魅力的で興味をそそりやすく、フィギュアなどコンポーネントも良くできているから、欲しくなる要素が満載、さらに面白いんだから確かに推したくなる気持ちは分かりますが、それは果たして初心者が楽しめるのかと?!
「目の前に『バトルライン』とか2人用の最高傑作しかも安価でルールもシンプルなのあるじゃんか?!」と言いたくてしょうがない。
店員さん「遊んだことのある店長いわく『重ゲーのなかでも軽めだ』と言っていました!」
それを聞いて精神的に膝から崩れ落ちました…。
確かに『SCYTHE』は分かってしまえばシンプルなゲームだ。
だけどもそれはある程度馴れた人の意見では無かろうか?あの説明書は初心者に難解ではないか?
私が初心者で、最初に買ったゲームが『SCYTHE』であったのならば、あの説明書の前に挫折して2度とボードゲームをやろうとは思わなかったと思う。
うーむ、夫婦二人で遊ぶのであれば、もう少し気軽に遊びやすい物の方が良いのではなかろうか?
いたたまれなくなりお店を出てしまったので、その後の夫婦が何かを買ったのかわかりませんでしたが、非常に胸に残る物事でした。
言いたかったこと
ボードゲームショップは特に専門性の高いお店ですよね。
その専門店の店員なのであれば、是非とも実際に遊んだ物を推してもらいたい。知識として知っているのと、実際に遊んだことのあるのは天と地のほどの差がでます。
他人の評価ですすめるんじゃなくて、実際に遊んでみた自分の感想でおすすめしてもらいたいなぁ。せめて『有名作品』『トレンド』は遊んでもらいたい!
またお店としても、そのようなラーニングルールを作れば店員のサービス品質が一定に保てると思うんですよね。
初心者には初心者向けゲームが正解?
次は初心者だからといって初心者向けが果たして良いのかどうかです。これは自分への反証でもあるのですが「じゃあ何が正解だったのだろうか?」と言うことです。
確かに顧客が「楽しめる商品」をオススメするのは正しいのですが、「面白そうなもの」をオススメするのも一概にNGでは無いと思います。
未経験者のモチベーションをあげるのは、実際の"面白さ"ではなく"面白そう"な期待感なんですよね。
とは言え実際に楽しめるかどうかも無視できないわけです。
そのために「誰とどれくらいの時間で遊びたいのか」のシーンを明確にしたうえで、オススメできる知識と経験が必要になります。
きっと今回の店員さんは知識と経験が不足していたのだと思います。
最後に
今回はひょんなことから色々と考えさせられ、良い機会になりました。
自分も誰かにオススメを聞かれたときにキチンと応えられるように、色々と遊んでこれからもブログにまとめていきたいと思います。
ちなみに今回のご夫婦に私なら『パッチワーク』『ジャイプル』『バトルライン』の3つをオススメします!
ではでは
ファーストクラス 感想
"オリエント急行"をテーマにしたワーカープレイスメントです。
鉄道系ゲームですが、全員で共有するようなマップボードに車両を進めるタイプではなく個人ボードで進めるゲームです。
全6ラウンドでプレイ時間は1時間ぐらいの"よくあるミドル級のゲーム"ですが、深いジレンマが楽しめる良いゲームです。
面白かったポイント
プレイヤーは鉄道の経営者となり、車両を充実させたり列車を進めたりすることで、2ラウンドごとに勝利点を得られます。
特長として毎回異なるゲームが楽しめることです。
プレイヤーは場に並んだアクションカードを1枚選んでそのアクションを行います。
そのアクションカードのセットがA~Eまでの種類があり、そこから2つを選んで組み合わせるため、毎回新鮮なプレイができます。強いて言うなら最初から拡張が入ってるみたいですね!
特にCのセットは"オリエント急行"らしく殺人事件が起きたりと幅の広いテーマを味わえます。
あとゲームのコアがシンプルでインストが簡単なのが良いですね。ゲームのアイコンが多数あり一見複雑そうですが、出てきたタイミングで説明すればよいので説明や理解は比較的簡単です。
気になったポイント
後手の不利さが気になりました。
ゲームの基本は場に6枚×3列で並べられたアクションカードから選んで1枚取りそこに書かれたアクションを解決します。
何を選ぶかは早い者勝ちなので手番が早いほどかなり有利です。この有利不利を解消するためにアクションカード以外にスタートプレイヤーカードがあります。これを取ったプレイヤーは次のラウンドからスタートプレイヤーになる上に2コイン貰え、更に次の手番以外のプレイヤーにもボーナスが入ります。
これは明らかに最後手番が取ることを想定した物で、スタートプレイヤー以外にメリットが入るようになってます。
ここは個人的にどうかな~と思う所です。最後手番のプレイヤーはこれ取らないと以降も不利が続くので、取ることが義務的になっているような…
この手番を失うのは勝ち負けではなく、ゲーム体験として勿体ないと思うんですよね(^_^;)
ちなみに先日遊んだときは最後手番で勝利したので、ゲームバランスを崩してはいないと思います。
まとめ
評価:A
1時間前後で遊べるワーカープレイスメントとして、かなり面白いと思いました。
手番でやることはカードを1枚引くだけですが、他のプレイヤーの状況から狙いを読んで自分の戦略を立てるのが、とても楽しいです。
前述のカードセットの組換えで違ったゲーム性を味わえるのは「次また遊びたい」と飽きさせないのと次への渇望を生むよい仕組みだと思います。
インストが簡単でライトな層にも受け入れやすいのも良いですね。
またコンポーネントが綺麗に仕舞えるのも、何気に好ポイントです。
こんな感じで結構気に入ってます。
今度は「殺人事件」入れて遊びたいな~♪
フェイ ルール&感想
プレイヤーは聖霊となりこの地に迷い混んだドルイド達を誘導させて儀式をさせます。
招待隠匿系陣取りパズルゲームです。
1つのスペースのドルイドを動かしてまとめていきます。まとめられたドルイドは儀式を行い得点を得ます。
ただし条件を満たしていないと、その儀式は崩壊し減点もしくは得点が無くなってしまいます。
自分の色を悟られないようドルイドを動かし、一番多くの得点がもらえるように立ち回りましょう。
ゲームの準備
ゲームボードをひろげます。
ボードは12の地域、地域は更に5種類のスペースで構成されています。
5色各12個のドルイド駒を全てのスペースに1つずつ置いていきます。
得点マーカーをボードの外周の得点トラックのゼロの所に置きます。
儀式カードは、書かれた数値順に5つの山を作りボードのわきに置きます。
儀式カードの上部には後述する"儀式"を行ったらボーナスが得られる地形が描かれ、真ん中には得られるボーナス、下部には"儀式"が失敗する地形が描かれています。(最後の5の儀式カードだけ、全ての地形でボーナスを得られます)
聖霊カードをシャッフルし1枚ずつ配ります。プレイヤーは配られたカードを確認し伏せます。
描かれていた聖霊の色がそのプレイヤーの色となります
これで準備は完了です。
ルールの説明
スタートプレイヤーから時計回りに手番を行います。
手番のプレイヤーは、1つのスペースにいるドルイド全員を他のドルイドのいるスペースに移します。
ただしドルイドが7匹以上いるスペースは動かすことができません。(ドルイドが7匹以上いるスペースに、他のドルイドが移動してくることは可能です)
また地域を隔てる"川"は渡れますが、"湖"は渡れません。
ドルイドを動かした結果、隣接するスペースに他のドルイドが居なくなってしまったドルイドが発生したら、そのドルイドは儀式を行います。(同時に複数の儀式が行われる場合もあります。その場合、任意の順番で儀式を解決します)
儀式とは
孤立したドルイドは儀式を行います。
儀式を行ったプレイヤーは、儀式カードの山から一番少ない数字のカードを受け取ります。儀式カードはゲーム終了時1枚1点になります。
次に儀式が崩壊したか判定を行います。
崩壊する条件は2つあります。
1:地形による崩壊
受け取った儀式カードの下部に儀式が崩壊する地形が描かれています。儀式を行ったスペースが同じ地形だった場合、儀式は崩壊し誰も得点を得ずに終了します。
2:ドルイドの種類による崩壊
全ての種類(5色)が居た場合儀式は崩壊し、1つしかない色はゲームから除外します。以降、得点計算に移ります。
儀式による得点計算
儀式を行ったドルイドの合計数が得点になります。儀式を行った色が一律同じ得点を得ます。
地形によるボーナス
受け取った儀式カード上部にはボーナスとなる地形が描かれています。儀式を行ったスペースが同じ地形だった場合、ドルイドはボーナスとして儀式カードの数値分の得点を得ます。
ゲームの終了と最終得点計算
ドルイドが動かせなくなった、もしくは儀式カードが無くなったらゲームは終了します。
プレイヤーは聖霊カードを公開します。その後、儀式カードの枚数分をボーナスとして得点に追加して最終得点が高かったプレイヤーの勝利となります。
ゲームの感想
評価:A
このゲームは『クランス』という名作ゲームのリメイクされたものです。長い間再生産が無かったのでこのリメイクは嬉しかったですね!
肝心の感想ですが、最近流行りのワーカープレイスメントや拡大再生産とは異なり「駒を動かす」だけのシンプルなアクションでレガシーな感じは否めません。ただし、シンプルながら大局を見通す力を要求される囲碁のような競技性の高いゲームだと思いました。
ゲームが進むにつれ盤面に流れが出来てくるので、それを如何に読むかが肝になります。
ここに最近の要素の多い複雑なゲームにはない大胆な醍醐味がありますね!
ドルイドは同じ色が2体いると5色揃ったときに強いが、その分儀式が行えるチャンスも減るといった表裏がまた良くできていて悩ましい。
一方、招待隠匿要素はそこまで強くないです。誰がどの色であろうとも自分の色を一番にするためにとる行動はあまり変わらないのと、誰であれ一番のプレイヤーは叩かれるので(^_^;)
とはいえゲーム終盤になると、他プレイヤーの行動も非常に重要になるためある程度のあたりをつけておくのは重要です。
またこのゲーム、途中の盤面を写真をとっておいて、後から感想戦をやるのがとても楽しいです。
という事で非常に楽しめるよいゲームでした!オススメ!!!!