コードネーム 感想
概要
2つのチームに分かれてスパイマスターの出すヒントをもとに、自分のチームのコードネームを推理するゲームです。
感想
評価:B
「何て言えば相手に伝わるんだろう?」「相手は何を伝えたいんだろうか?」と考えるジレンマが面白さとなり盛り上がれる楽しさもある良質なゲームです。
ルールもコンポーネントもシンプルで安価、ライトユーザーでも簡単に楽しめるのも高ポイントだと思います。
ただし文脈を読んで楽しむゲームなので、理屈で詰めていきたい人は他のゲームのほうが良いかもしれません。
面白さの分析
・スパイマスターの面白さ
一つだけを狙って確実にわかりやすいヒントをだすのか、多少わかりにくくても複数一気に狙えるヒントをだすのか、相手と自分の現在のポイントの状況から判断して考える面白さ。
暗殺者のコードネーム次第では、これも考慮に入れる必要もあり悩む。
自分としては最高のヒントのつもりでもフィールドスパイには伝わらない事もあり、そのもどかしさも楽しさの一つである。
逆にわかりにくいヒントでわかってもらえた時は嬉しくなる。
自分のヒントを意図しない解釈をされて意図しない正解が出てしまう場合があり、その時は腑に落ちない感情になった。
・フィールドスパイの面白さ
スパイマスターの出したヒントをもとにコードネームを推理する面白さ。
スパイマスターの出したヒントとそれに関わる枚数に+1枚だけ回答できる。
前に出されたヒントも含めて考える幅が広がり面白さが増す。
暗殺者の存在があるため、あてずっぽうを抑止しているのは良いデザイン。
先攻有利調整のために先攻はダブルエージェントを1枚加えるのは大胆なデザインだと思った。精密なバランス調整ではないけれど、理屈的な面白さよりも文脈を楽しむゲームなのでこれぐらいでもよいのかもしれない。
パンデミック・クトゥルフの呼び声 感想
クトゥルフをテーマにしたパンデミックということで、ゲームファンにとってはたまらない夢の作品。
ということで、やってみました。
感想を一言でいうと「パンデミックが少しミニマムになって凝縮された」感じかな。
マップのマスが少なくなり狭く感じ、役職もベーシックな物しかないため行動に幅が狭まり、プレイヤーカードの枚数も激減したため窮屈な感じを受けました。
特にプレイヤーカード(59枚→44枚)の減少は4人プレイで6ターンまでできたのが5ターンまででクリアしなければならなくなりミスが許されない難易度になっています。
(マスの数:パンデミック:47/クトゥルフ:23)
とはいえ「クトゥルフ物」なのでこれぐらいの難易度の方があっているかも、と思ってしまったり。w
またクトゥルフらしい点として、いくつかの場面でSAN値のチェックのためダイスを振って判定します。
正気度を失ったキャラクターは能力が変化します。
これが純粋にパワーダウンするとは限らないのが面白いところです。
無駄な行動ができないから動きが慎重になって色々考えるとプレイヤーのSAN値が減ってくるのが良くわかる。w
ゲーム概要
ウィルスの代わりに狂信者となりワクチンではなく4つのゲートを閉じるのが勝利条件になっています。
パンデミックとの大きな違い
システム基本は通常のパンデミック。
パンデミックではマップが世界で左端から右端が繋がっていましたが、
今回の世界は4つの街なので端から端への移動ができません。
ただし4つの街に各1つづつあるゲートを通ってワープする事が可能です。
ただし使用には正気度チェックをする必要があり、ゲートを封印してしまうと使えなくなってしまう制約もあります。
結局3回プレイしましたが、勝ち筋が見えないまま3敗。。。
今日のプレイでわかったことは大まかに下記。
- 「隠秘学者」の使いどころが見つからない。
- 狂信者ばかりに気を取られていると4つの封印が間に合わない。
- 正気度が減る事を恐れない。
- ゲート移動は積極的に使おう。
「隠秘学者」は1アクションで一人の狂信者を2マス移動させることができるのですが、
同じコストで狂信者を排除することができるので、わざわざ移動させるメリットが感じられませんでした。
ルールの解釈に迷った所
「ショゴスの初期位置がゲートだった場合の処理はどうすればよいのか?」
『邪悪の胎動』を引いた場合、古き神の復活とショゴスの召喚が同時に行われます。
ショゴスが召喚される場所をカードを引いて決めるのですが、それがゲートだった場合、
ショゴスがゲート召喚→ショゴスがゲートに入って古き神を呼び起こす、
と古き神が2連続で呼び起こすことになり、非常に厳しい局面になります。
運次第ではあるものの、ゲームバランスが極端に悪くなるとしてショゴスの初期配置がゲートだった場合、
今いるゲートから一番近いゲートにする事にしたところ、バランスとしては良くなったと思います。
まとめ
評価:B+
『パンデミック』と比べるとどうしてもゲームバランスが偏っている気がします。
またキャラクターごとの組み合わせの可能性も少し狭まっているからか、広がりがないように感じてしまいました。
とはいえクトゥルフというテーマ性がそれを補う十分な魅力があるので評価はBとします。
アニュビスの仮面 感想
ルール
ダンジョンの地図を作る協力型のゲームです。
VRゴーグルを被ると1分だけダンジョンの一部を覗く事ができるので、言葉や手振りでその他のプレイヤーに内部を伝えます。
その情報をもとに残りのプレイヤーは地図を組んでいきます。
1分経って出来上がった地図の一部を確認し、次のプレイヤーにVRゴーグルを渡します。
次のプレイヤーは先ほどのプレイヤーとは違う地点からダンジョンを覗きます。
そうやって一人づつダンジョンを覗いて地図の断片を作り、断片を合体させて一つの地図をつくります。
最後にVRゴーグルからスマホを取り出してスタート地点からゴールまで正しく地図ができていれば勝利です。
感想
VRという技術をコンポーネントの一部として上手く使っているのに感心しました。
VRなくしてはシステムとして完成はしないんだけど、あくまでゲームとしての楽しさは皆であーでもない、こーでもないというアナログなところにあり、最先端を取り入れながらアナログっていうのがミスマッチで面白かったです。
1プレイは15分~20分ぐらいでサクッとできるのもお手軽で良いです。
ゴーグル以外のコンポーネントも立体物があったりして豪華です。
ゴーグルやアプリ、イラストにCG、声優などこれ原価に対して非常に安価なのではないでしょうか。
ちょっと心配しちゃうぐらいです。w
話を本筋に戻して、感想です。
基本は情報伝達ゲームです。
ゴーグルを被っているプレイヤー(情報収集>伝達)から、それ以外のプレイヤー(情報授受>構築)が上手くできるか、が楽しさのポイントです。
ゴーグルを被って状況を把握して、それを口で上手く伝えるのって中々難しいのですよ。
これは常日頃から論理的な思考をしているかが結構プレイヤーの差として現れました。
でも何回かやっていくと改善のポイントが見えてきました。
ゴーグルを被っているプレイヤーは「目の前に絵画が見えます」などと目に見えるものを口にしがちですが、地図を作る側はまず基準となる地形の情報が知りたいので、まずは状況の把握から務める。
情報の優先順位は地形>アイテムにする。
などです。
改善点を見つけて成長していくのもゲームの楽しみの一つだと思うので、初めてやるプレイヤー同士だとそういう楽しみ方もできますね。
あとはやっぱりゴーグルを被って周りを見回すのは、傍から見ていると異様に見えます。
でもそういうボードゲームをやっているというのを知ると、非常に興味を持ちやすいかと思います。
そういう意味でも現時点では唯一のアドバンテージですね。
まとめ
評価:A-
最後に思ったこととして、このゲームは何年遊べるのかな?ということです。
他のボードゲームはそれ単体でコンポーネントが完結している場合が多く、大事にしていればそれだけ長く遊べます。
ただこのゲームはアプリやスマホに依存する為、アプリがスマホに対応しなくなったら、スマホ自体がガラケーのように時代遅れのデバイスになったら、遊べなくなってしまいます。
そういう意味で、賞味期限つきのゲームなのかな、と心配した次第です。
とはいえゲームはもちろん面白く、新規性を評価してAにします。
知ったか映画研究家 感想
ルール
6つの映画タイトルの片方が書かれているタイトルカードをめくります。
ダイスを振ってその出目で映画タイトルの片方を決め、2枚分つなげて映画のタイトルを決めます。
スタートプレイヤーを決めて30秒ぐらいずつで全員がその映画について自由に語ります。
プレイヤーの中で誰の話が一番良かったかを決めて、そのプレイヤーにグッドカードを渡し、グッドカードが一番多くもらったプレイヤーが勝利になります。
まとめ
評価:B-
「横暴編集長」のような無作為で決まるタイトルの面白さと、「キャットアンドチョコレート」のような大喜利要素を兼ね備えたパーティーゲームです。
2回プレイしましたが、人数は少ない最初のプレイ時は盛り上がらずに終わってしまいました。ただし、その後5名でやったときは話が広がって非常に盛り上がったので、メンツによる向き不向きがあるのかなぁ、と。
また大喜利要素が高いのでプレイヤーの資質を問われるように感じました。
あとはプレイヤーの映画への知識が均一だと楽しくなるかと思います。
私がやったときは皆さん映画知識が豊富な人だったので、ジャッキーチェンのエンドロールでのNG集の話や伊丹十三が作りそうな話など、マニアックな話を全員が楽しめたのは良かったです。
面白い場面もあったのですがプレイヤーの資質を問う点がゲームデザインとして少し投げすぎな気がするので評価はBにします。
ゲシュンク感想
ルール
3~35まで書かれたカードとコインだけのシンプルな構成です。
コインはプレイヤーに7枚配られます。
山札から捲られたカードの数字を見て、引き取るか引き取らないかを考えます。
カードを引き取るとその数字がマイナスの得点になります。
引き取らない場合はコインを1枚支払って次のプレイヤーに移ります。
コインが無い場合は引き取るしかできません。
引き取った場合、そのカードに他のプレイヤーが支払ったコインも一緒に引き取ります。
最終的に引き取ったカードの数字をマイナスの点数、手元のコインが1枚1点として計算をします。
ただし引き取ったカードが連番だった場合、それらの中で一番少ない数字のみがマイナスの得点として計算されます。
例:
「15」「16」「17」「20」を持っていた場合は、「15」~「17」までが連番のため「15」と「20」だけがマイナス得点の対象となり”35”点のマイナスとなります。
感想
一度しかやっていないのでまだまだ理解が浅いのですが、引き取るべきか引き取らないでコストを支払うかを考えるのが面白かった。
いくら連番であっても高い数字のカードを引き取るにはリスクが高い。
とはいえコインがなくなって高いカードを引き取らなければならないのも避けたい。
そのジレンマこそがどっちがいいのかわからないというストレスに対して、決断しその結果が良ければうれしいし、わるければ残念。
誰がすでにどの数字を持っていて連番できる可能性は高いのか、連番取れたとしてもマイナス得点として大きくないか、結局何ターン回ってきて、コインが何枚足りないのかを考えなければいけない。
大人数でやると誰が引き取るとかのパターンができやすいかも。
あとゲーム中に面白かったのが、数字を年齢に見立てて「あー俺ストライク!」とか派生したこと。
キャラクターの絵を入れてコインをハートにするだけでも売れそうな予感。
問題点は、コインがチープだった事かな。
ただこれは他のチップに変えればよいだけなので解決は簡単。
あと運要素が高めで1プレイが軽いので慣れている人には物足りなく感じるかも。
カルカソンヌ感想
ついにカルカソンヌの”草原ルール”ありでプレイしました。
今までに何回かプレイしたことのあるカルカソンヌでしたが、常に誰かしらが初心者で”草原ルール”を抜かしたプレイしかしてきませんでした。
念願かなって草原ルールをやってみて、逆転性が上がって最後の得点計算で楽しくなった。
でも運要素も上がったため競技性は低くなったように感じました。
そもそも草原ルールというのは、農民が寝ころんだ草原が続いている全体の中で完成した城の数だけポイントが入るのだけれども、将来的にどこにどう繋がるのかが目先の城や道ほど読みづらく想像がしにくい。
とはいえ可能性が全く見えないのではないので、上手くつながれば良いなぁ、ぐらいの軽い気持ちでやるのはありかも。
ただしその軽い気持ちでやったものが、思考の末の一手以上の得点をだしてしまうとゲームとしては「うーむ」とも思ってしまうわけです。
結局は確率とバランスの問題なので何回もやってみてから改めての判断かなぁ、と思いました。
ボドゲの要素
ボードゲームの要素は「テーマ」と「システム」の2つが主だと思っています。
個人的には「システム」がより重要かと。
テーマは面白いのにシステムがなっていないゲームより、システムが上手くできていればテーマに納得がいかなくてもそれなりに遊べます。w
「ニムト」なんて良い例じゃないでしょうか?なんで牛やねん!w
とはいえ両方が良いに越したことないですよね。
ゲームを考える際には、システムが先に思いつくこともあれば、良いテーマが先に思い浮かぶこともあります。アイデアなんて言うのはいくつもストックを作っておいてそれらを組み合わせる事が多いので、結局はどちらが先というのは無いのかもしれません。
そのうち「テーマ」と「システム」についても書いてみたいと思います。
では今日はこの辺で