ヒット・ザ・ロード 感想
前から遊びたかった『ヒット・ザ・ロード』がようやく遊べたので感想を書きます。
概要
ゾンビが蔓延したアメリカ。シカゴからLAを目指して、ゾンビに襲われながらも旅をする8日間のロードムービー的なゲームです。
何よりテーマが良い!ゾンビ映画好きには堪らないテーマ性!コンポーネントがどこか古ぼけたような非常に味のあるデザインで世界観へのこだわりを強く感じます。
もうゾンビ好きならそれだけで買って損がないゲームだと思います。
ルール説明
『競り』『ダイス』『リソース管理』といくつかのゲームシステムが含まれていますが、中心は『競り』のゲームです。
LAに向かうルートが4つあり、それぞれ道中で起きる出来事が2枚のカードに書かれています。
カードには『ガソリン』『銃弾』『アドレナリン』と旅で役立つトークンや勝利点が手に入る出来事もありますが、大抵ゾンビに襲われたり、ろくでもない出来事ばかりが書かれています。
その4つのルートから″まだましな″ルートを選びたいのですが、選び方は競りを行って一番多くのコスト(任意のトークン)を支払ったプレイヤーから選ぶことが出来ます。
ましなルートを選びたいけど、競りでトークンを失うと、来るべきゾンビとの戦いで不利になるし…というジレンマが醍醐味です。
全員が競りをして選ぶ順番が決まったら最初のプレイヤーから選んだルートのカードに書かれた出来事を処理します。
ゾンビが出た場合はダイスを振って解決します。
ダイスには大まかに照準マーク、ゾンビマーク、アドレナリンマーク、マークなし(空白)の四種類で構成されています。
まずは狙撃フェイズ。銃弾トークンを1枚支払うごとにダイスを2個振って照準マークが出た数だけ倒すことができます。
狙撃で倒しきれなかったら自分の生存者トークンの数だけのダイスを振ります。
照準マークの出目の数だけゾンビを倒せますが、ゾンビの出目が出ると自分の生存者が減ります。ただしアドレナリンを支払うことで回避ができます。
細かくは他にも色々あるのですが、だいたいはこんな感じで進めます。
ゲームは1日=1ターンで、合計8日すなわち8ターン行います。
8ターン目まで生き残り勝利点が一番多かったプレイヤーの勝利となりますが、結構死にます。というよりかなり死にます。
なので勝利点は個人的にはおまけ程度ととらえて、生き残るだけでも充分勝利感が味わえました。
まとめ
評価:A
個人的な好みも込みでAにしました。
常にピンチな状況に置かれる程よいストレスがテーマを上手く再現しており、また美しいデザインワークも強いこだわりが感じられて、とても上質なゲームだと思います。
もちろんゲームとして『競り』『ダイス』『リソース管理』と複合的に絡むジレンマで程よく頭を使いつつ、いざとなったら運で道を切り開く事もできる完成度の高いシステムです。
一方でその場の状況や先の見通しは必要なものの、戦略性はそこまで高くないため所謂″重いボードゲーム″を期待している人には物足りないかもしれません。